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Gathers No Moss Like A Rolling Stone

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ART
COLUMN & REVIEW



 小林紀晴写真展「いま、ここは、どこでもなく」  エモン・フォトギャラリー (2006.1.20)
「アジアン・ジャパニーズ」の中の小林紀晴の写真は、 ギラつき、ザラっとしている。 その刺激的な内容と相俟って、ヒリヒリとした緊張感を常に纏っていた。
しかし、今回の写真展には、そんな緊張感はまるっきり存在しない。
緑の木々と、透けるような空。 全体的に淡い色調に押さえられている。 それは儚く、今にも消え入りそうだ。

「9.11」をその場で体験したということがどういうことなのか、 その場にいなかった人には、結局、想像もつかないのだろう。
個人的には、小林紀晴のこの変化は残念ではあるけれど、 彼を180度変えてしまうだけの衝撃があったことは、その変化から伝わってくるし、 その変化を押し留めることはできないと思った。
その穏やかで平和な空の写真は、希望と不安の間で大きく揺れているように見えた。



 横浜トリエンナーレ 2005 アートサーカス「日常からの跳躍」  横浜市山下ふ頭3号、4号上屋 (2005.12.2)
4年前の第1回に較べると、いろいろごたごたがあったこともあり、 ちょっとスケールダウンした感があるのは仕方がないけど、 ふ頭の先の倉庫というロケーションは、これでこれで味わいがある。

本当は、午前中に行って、ゆっくり観ようと思っていたんだけど、 トラブル(こちらを参照)があって、 着いたのは3時。 結局、駆け足で観ることになってしまった。
今回は、大がかりな体験型の作品が多く、ちょっとしたテーマパークみたいだったので、 じっくり楽しめなかったのは残念。
しかも、天気が悪く、途中、雨がぱらついて、屋外の作品を一部見逃してしまった。

特にお気に入りは、 山下公園内で異彩を放っているルック・デルーのコンテナのアーチ。
そして、入口から会場まで続くダニエル・ビュランの旗のトンネル。
中庭にある岩井成昭の電話ボックスもおもしろい。
高嶺格の光と影のコントラストが織りなすジオラマは、今回の一押し。
注目の奈良美智+grafの“小屋”は、それほどではないけど、 コンテナの中の“犬”たちを穴から鑑賞する作品は良かった。

さて、3年後、無事に第3回が行われるのだろうか?
次回からは、きちんとオーガナイズされ、 日本を代表する世界的なアート・イベントとして定着することを、 切に願っている。



 キン・シオタニ個展  「沖縄の海の水を北海道に捨てに行く男」〜旅とアートと文学と〜  Bギャラリー (2005.8.11)
同名タイトルの本の出版記念も兼ねた個展。
大盤振る舞いで、かなり多くの絵が展示されていたんだけど、
ヘタウマ系の独特の絵は、似ているものがない唯一無二の存在。
久しぶりに観たけど、相変わらず味がある。
文章もおもしろそうだったので、本も買ってしまった。



 荒木経惟 「ポラノグラフィ」展  LA CAMERA (2005.8.7)
ポラロイドで撮ったヌード写真なので、「ポラノグラフィ」。
アラーキは、こんなちょっとぽっちゃり系の女性を撮るが好きだよね。
そこには、独特のエロチシズムが漂っている。
ポラロイドの小さな写真をのぞき込むように観ると、 そのエロチシズムがさらに際立つ。
こういう写真を撮らせたら天下一品ですな。



 神谷智次郎 Les couleurs  コダック・フォトサロン (2005.8.7)
森山大道と同じく、おそらくこちらも南米で撮影しているみたいなんだけど、 「Les couleurs」というタイトル通り、鮮やかな色が溢れている。 コマーシャル・フォト等を中心にやっているだけあって、 画を作り過ぎているような気もするけど、個人的には好きだ。
カラーでも“光と陰”は表現できる。


 森山大道展 「ブエノスアイレス」  Taka Ishii Gallery (2005.8.6)
森山大道の粗い粒子の漆黒の画質は、日本の風景との相性がいいのかもしれない。
アルゼンチンは、やはり“ラテン”の国であり、カラーの方が似合うのかも。 好きな写真もあったけど、 全体的には無理して“森山大道風”にしようとしているように見えた。
もっとも、好きな写真もあったので、もっと時間をかけて撮り続ければ、 だんだんしっくりしてくるのかもしれない。
そもそも森山大道は、街と濃密な関係を持つことによって、 街の本質を鋭く切り取る写真家だと思う。 関係性さえ築ければ、白黒もカラーも問題ないはずだ。
もう一度チャレンジしてもらいたい。



 土田ヒロミ展 「砂を数える/新・砂を数える」  GALLERY PAST RAYS M/A MARUNOUCHI (2005.8.4)
人が集まる風景というのは、カメラマンの撮影中枢を刺激するのだろうか?
私も、ライブの観衆や、渋谷センター街、日曜日の銀座の歩行者天国、お花見、 なんかの写真を良く撮っているので、すごく共感できる。
また、これらの作品に「砂を数える」というタイトルを付けたセンスが、 素晴らしい!
群衆の中で、1人1人は無個性な“砂粒”のようだ。 しかし、その砂粒が集まったところにパワーが感じられる。
そのパワーを写し込みたいと思うけど、なかなか難しい。



 緩やかな関係 坪井麻衣子/北澤麗  gallery Archipelago (2005.6.22)
ダッチワイフと女の子がレズってるってのがおもしろい。 新鮮で不思議な感じがした。
今時のダッチワイフの精巧さと、精巧であればあるほど、 その機能が無意味になるというシチュエーションが、 奇妙な空間を作り出している。
女の子の方も、ちょっとロリ系でお人形ぽくって、 倒錯したエロチシズムを感じさせる。
しかも、これってセルフ・ポートレートなんだよね?  素敵♪



 カイザー・オノヅカ写真展 「色即是空 Art of nothing」  コダック・フォトサロン (2005.6.22)
日常の中にある鮮やかな色の被写体をクローズアップして、 ミニマル・アート的な作品に仕上げている。
完全なミニマル・アートではなくって、 ちゃんと被写体の形が残っているのが、いい。
こういう写真はありそうでなかった。 ちょっと「やられたぁ!」って感じ。 なんか悔しいなぁ。



 束芋展 −指弁(yubibira)  ギャラリー小柳 (2005.6.22)
「ギャラリー小柳」が8階に移ってから初めて行ったけど、 相変わらず清潔で広くゆったりとした空間。
その“オシャレ”な空間にちょっとグロテスクなドローイングが並ぶ。
さらに奥の部屋では、束芋お得意のシュールなビデオ作品が上映されていた。
今回の作品は、裸の男(?)が一人立っていて、 背中の刺青の菊の花びらがぱらぱらと散っていき、最後は。。。 というもの。 短くて、いつものようなぴりっと辛い風刺は効いていないものの、 シュールさは活きている。
まあ、ちょっと束芋にしては食い足りない気がする。 広い空間がゆったりし過ぎかなぁ。






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